編集PCの考察
編集PC(コンピューター)の考察
映像業界って、何時も〆切ぎりぎりで仕事しているから、機材が壊れたら代替機を頼むのが普通だったし、普段使いでは機器のトラブルも少なかった。
そんな業界で、最も〆切のシワ寄せが来る編集業務をコンピューター中核にして作業するなんて実験レベルだった。 まーどんな時代にも最先端って奴はあって、一部のポスプロ辺りではワークステーションクラスの高額機器で特殊効果作業もしていたが、庶民編集室が導入できる品々ではなかった。
今もそう言う高額機器はあるが、デジタルの普及で選択枝が広がり、今やノンリニア編集花盛りの様相だ。コンピューターの普及と、撮影カメラの記録媒体がメモリーになった事で更に加速するだろう。
ちなみにコンピューターの普及率は1990年代前半までは10%で、2001年には半数を越え、2011年には76%となった。
この20年でコンピューターの扱える対象が文字から画像に、そして動画へと広がって来たわけだ。
同時にネットの普及率も78%を超え、この両者の普及は新しい才能を開花させるチャンスを無限に広げて行くような気がして楽しみだ。
一般レベルで動画の編集が普通に行えるには、まだ環境が整っていない気がするが、同じコンピューターベースの環境で作業する訳だから、その垣根を低くして編集に興味を持ってもらえたら嬉しい。だが、同時にそれを生業にしている身としては、よりスキルを上げて行かなくてはいけない時代だとも言える。
コンピューターによる編集システムをノンリニア編集ターンキーシステムと呼ぶことが多いが、ターンキーとは完成品としてすぐに利用可能という意味合いで使われる言葉だから、ノンリニア編集として完成させたコンピューターと言うことになる。
だが価格帯は一般普及する品々ではない。 お仕事用って位置づけなのだろ。
映像制作が生業の業種ならばいいが、一般組織では敷居が高い気もする。 それは価格だけではなく、制作全般を理解し運用する人材が不足している。 稀に映像制作に興味のある人材に任せて運用している組織を見うけるが、担当者の孤軍奮闘には敬意を表す。
20年前に仕事として使えるビデオシステムを導入するのに\5.000万を要した。
今はどーだろう。1/10以下でもフルHDの制作環境を構築できる時代になっている。 趣味なら1/100以下でも何とかなる。 面白い時代になったものだ。
(編集PCの機材に関しては”編集PCを作る”の項を参照されたい)
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